クロスバイクやロードバイクの盗難防止を考慮した保管方法について

クロスバイクに限らず、ロードバイク、MTB等スポーツバイク全般において、盗難被害は非常に多いと言われています。

この記事は盗難防止の観点から以下についてまとめました。
「クロスバイク、ロードバイクの室内保管例」
「電子デバイスを使った防犯方法例」

はじめに・盗難被害の現実について

ちょっと話が変わりますが、以前、私は大型バイク(自転車ではなくてオートバイ)の盗難被害経験があります。
車両価格130万円くらいで、更に150万円ほどカスタム代金をつぎ込んだ、自分にとって宝物のオートバイでした。
盗難対策も行っており、数万円の盗難防止用極太ワイヤーによる地球ロック、前後のホイールロック、とどめに自家用車で出入口を塞ぐまでしておりましたが、ある日の朝、その場所にオートバイはありませんでした(どうやったのか、自家用車はバイク1台分ずらしてあった)
パニック状態に陥りながら110番通報して警察を呼び、被害届も出しましたが、結局オートバイは見つからず(その後、警察からも音沙汰無し)。

なぜここでオートバイの盗難被害例を?なんですが、要はこれを言いたいのです。

「100万円以上の高額品が盗難にあっても、警察は捜査してくれません!」

悲しいことに事実です。
被害届に金額書く欄があったので本体価格を書いておきましたが、今にしてみるとあまり意味があったとは思えません。

大型オートバイの盗難被害は非常に多く、聞いてはいたのですが、本当に泣き寝入りでした。
ウチの場合は切断された極太チェーンが現場に残っており(通常、証拠を残さないために持ち去るとか)、さらに自家用車がずらしてあるなど、指紋採取やチェーンを持ち帰っての検証など、何かしらやってくれるのではないかと期待してましたが、現場に来た警官(一人だけチャリできました)は何もせず、ただ状況を聞いて、それをメモして帰っていきました。

前置きが長くなりましたが、100万円以上のオートバイ、もしくは数百万円の自家用車が盗難にあってもほとんどが泣き寝入りになってしまうというのが世の中の現状で、数十万円のロードバイク、クロスバイクにおいても残念ながら同じように泣き寝入りとなってしまうことが予想されます。

盗難対策ってお金かかるし、何と言っても毎回やるのが面倒だったりもするので疎かになりがちです。
しかし残念ながら盗まれた後には大切なものは何も残らず、後悔だけが残る非常に悲しい結末となりますので、盗難対策をおすすめします。

保管方法

室内保管(盗難防止効果 ★★★)

クロスバイク/ロードバイクの保管で、やはり一番効果的なのが「室内保管」となります。
よくよく考えると、屋外保管でチェーンやらを複数かける手間よりも、室内に入れちゃった方が早いってこともあると思います。
(後述しますが、クロスバイクやロードバイクは本体のみならず、ホイールやサドルなどパーツ単体での盗難も結構多いため、ワイヤーロックする場合などは各パーツを固定できるように亀甲縛りのような手間のかかる複雑なロックをするのが一般的です)

屋外と室内では盗難リスクに大きな差があります。
もし可能であれば室内保管をおすすめします。実際、高額なロードバイクなどは室内保管している人が結構多いと聞きます。

また室内保管のメリットとして、雨風の影響を受けないめ、バイクの美観/寿命を延ばすという非常に良い点があります
タイヤなどゴム類に対しては直射日光が悪影響となり、これを防止できると長寿命(=低コスト)につながります。
屋外保管と室内保管では、その後のバイクのキレイさに大きな差がでます。私のクロスバイクは3年前に購入したものですが、最初から室内保管にしているため、今でも細部までキレイな状態を保っています。

室内保管のポイント

室内保管で悩むのがやはりスペースの問題。
よほど広い家であればともかく、通常は悩みのタネになるところです(特に、奥さんとか家族がいるとなおさら)

スペース問題を解決するには、水平方向だけではなく垂直方向のスペースを有効に使うと良いです。

例えば、こんなラックを使用して縦置き保管してみるとか。

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www.minoura.jpより引用

自転車用キャリア・スタンドの大手メーカー「ミノウラ」の製品で、なんとバイクを縦置きに保管できるラックです。
車輪の固定はフックによる引っ掛けで、あまり面倒な固定にならずに使い勝手が良さそうです。
縦置きだけではなく、横置きにも対応しているため、レイアウト変更とか柔軟に対応できるのも良いです。

2台持ちの場合は上下に保管できるこんなスタンドもよいと思います。

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天井突っ張り式バイクスタンドです。突っ張り棒の構造で支柱としての役目を果たし、上下2台のバイクを保管できるようになっています。
メリットは、簡単な構造なので容易に設置できそうなこと(レイアウト変更も容易そう)、デメリットは天井側に強度が無いと設置が難しい(実際設置する際には梁のある場所を推奨しています)ことでしょうか。

天井が使えない場合は、壁立てかけ式もあります。

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これだと更に簡単に設置できそうです。
ただし、強度的には天井突っ張り式の方が高そうですし、こちらのタイプは壁にもたれさせる構造のため、床側が製品側の足とグリップ確保できることが条件になります(砂埃の浮いた場所、濡れた場所などは足が滑って不安定になってしまう)

トランクルーム保管(盗難防止効果 ★★★)

室内保管したいが、どうしても自宅にスペースが無い!なんて場合はトランクルームを使用するのがおすすめです。

特にオートバイ用のトランクルームなら盗難防止も考えられており、監視カメラが設置されていたり、頑丈なキーロックが採用されていたりと、安心して保管できます。
また、中に棚があって備品の保管もできるように考慮されているため、メンテナンス用品保管を含めた、自分だけのクロスバイク基地として使用することも可能です!

またトランクルームの場合は、行先で借用契約できれば、通勤・通学などに使用することもできます。
荷物の保管だけではなく、場合によっては着替えができるほどのスペースも確保できたりするので、出先で変なとこに駐輪してビクビクするよりは非常に健全な使い方が可能となります。

トランクルームのデメリットは希望場所近くに物件があるかということと、費用がかかることですが、逆に盗難防止の悩みから物置きスペース確保までが一気に解消できる点は大きなメリットだと思います。

また、契約に関してはウェブ契約などスピーディーな契約(しかも初期費用等の割引アリ)が可能となっており、煩わしいことなく使用可能な状態になることもメリットだと思います。
→クレジットカード引落にすれば口座振替申込書のやり取りも不要となるので、更に便利です。

ベランダ保管(盗難防止効果 ★★☆)

マンションなどにお住まいの場合、ベランダもスペースの対象になると思います。
階数が上がると抑止効果も上がるので、こちらも盗難防止としておすすめです。

ベランダの場合は危険防止のため縦置きは避けるべきで、また、高層階になってくると風の影響も大きいためサイドスタンドだけでは倒れてしまう心配もあります。
固定フックなどあれば安心ですが、平置きの場合はディスプレイスタンドなど併用して安定性を高くしておくのも効果的です。

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更にベランダは屋外になるため、カバーを用意しておくと雨風によるバイクの劣化を防げるため安心です。
クロスバイク用のカバーでもいいですが、若干高くなるかもしれませんがオートバイ用のカバーが良いのではないかと思います。

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オートバイ用カバーの場合は湿気対策されているものが多くあり、この商品も対策済みのものです。
設置場所にもよりますが、カバーしてそのままにしておくと中で湿気がこもってしまうことが多く、外した時にバイクがびしゃびしゃに、なんてこともあるため、湿気対策済みのオートバイ用カバーがその点安心です。

屋外保管(盗難防止効果 ★☆☆)

クロスバイクの保管方法でイチバン多いのが、なんだかんだ言っても屋外保管になるかと思います。
都会だとマンションの駐輪場でクロスバイクを見かけることが本当に多いです。

”見かけることが多い”と書きましたが、これはわざわざ覗きに侵入しているわけではなく、道路上を歩きながら(外から)見えてることがほとんどですので、それだけ人目に触れることが多いということです。

人目に触れることが多いと逆に盗まれないのでは?という意見があるかと思いますが、残念ながらそうでもなく、盗まれる時は盗まれます。
この辺、都会ならではの「あまり人のやってることに関心しない」が要因になっているのではないかと思います。

盗難防止の基本的な考え方

方法論の前に、ここで窃盗犯の基本的な考え方を覚えておいた方が良いです。
冒頭に書いた大型オートバイ盗難の時にもアドバイスされたことで、みなさん是非覚えておいてください。

窃盗犯は手間のかかる仕事はしない(避ける)

窃盗犯は大胆な仕事をすることもありますが、必ずリスクとリターンを考えて仕事します。
そうすると、例えば目の前の物を盗もうとした時、それが「手間のかかる仕事」であれば避けるようになります(リターンに対してリスクのみが上がるため)。

例えば窃盗のプロの場合、非常に高価な防犯用チェーンロックでも開錠(もしくは切断)する技術を持っており、それ単体での対策では意外に効果は薄いという話を聞いたことがあります。
逆に安価なロックでも何重にも対策されているとか、時間がかかる方がリスクが高まるので効果が大きいようです。

これを踏まえて、屋外保管におけるポイントを考えてみます。

  1. なるべく目立たない場所に駐輪する
    まず、なんと言っても見つからないに越したことはありません。極力、わからない場所に駐輪するのが良いです。
  2. 高い場所に駐輪する
    切断にはボルトカッターを使用することが想定されるため、カッターが使いにくいように高い場所でカギを固定、もしくは駐輪することが理想です。
    高い場所というのは、例えばマンションのバイクラックが2段積みだった場合は上段を積極的に使いましょう、という意味です。
  3. フレームを地球と固定する
    U字ロック、もしくは太目のワイヤーロックを使って地球とバイクのフレーム(三角形の内側)を固定しましょう。
    地球との固定が難しい場合は、極力離脱の難しい周辺設備と固定です。
    (地球と固定とは、地面に固定された構造物との固定を意味します)
    ここでカギは一つだけではなく、二つ以上掛けるのがベストです。
  4. ワイヤーでフレームとコンポを固定
    スポーツバイクの場合、バイク本体だけではなくコンポーネント単体の盗難も多いとの話を聞きます。
    ここでのコンポーネントとは、ホイールやサドルなど手動で簡単に取り外せるものです。
    長くて細めのワイヤーを用意し、ホイールやサドルもフレーム、もしくは地球と固定してください

ざっとこんなところでしょうか?

クロスバイクはシティサイクルに比べて軽量に作られていることが仇となり、手で持った状態で簡単に運べてしまうためワイヤーロックなどの固定系盗難防止対策が必須となります。

バイクの使用頻度が高いと、どうしても面倒くさいためロックの手を抜いてしまうことがありますが、窃盗犯はそのようなバイクを見逃してはくれません。
せっかく高額商品を買ったわけですから、駐輪時はさぼらずに必ずロックするように心がけてください。

電子デバイス使用のすすめ

「地球とロック」などアナログ的な対策に加え、デジタル方面の対策を追加すると更に効果が上がります。

これはいいかも!と思った商品をご紹介します。

防犯アラーム付きのカギ

窃盗犯の中には若年のアマチュアも存在するケースがあり、その場合はアラーム機能が有効です(音が鳴ると咄嗟に逃げていく)
以下のような持ち運びしやすい防犯アラーム機能付きのカギは出先においても重宝するので導入する価値あると思います。

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このカギは振動を感知することでアラームが鳴るタイプで、下記のような動作をします。

①電源オン(待機モード)
電源オンから1分後に待機モードに入る(ここから振動感知すると音が鳴る)

②振動を感知(警告モード)
振動を感知するとピピっと音がして警告モードとなる。
(警告モードには8秒間の猶予があるので、所有者はこの間に解錠する)

③更に振動を感知(警戒モード)
以降は振動に対して即座にアラーム音が鳴り続ける(音量は事前に調節可能)

警告モードが間に存在し、1度何かが当たってしまったなどの際に鳴り続けないようになっているので安心な設計だと思います。
また本体の電源はマイクロUSBを使った充電式となっており、フル充電に2時間程度。連続待機時間は約160時間とのことで、ランニングコストもかからず使い勝手のよい作りとなっています。

AlterLock(オルターロック)

スポーツ自転車向けのサイクルガードサービスで、このデバイスはちょっとすごいです。

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デバイス本体はフレームとボトルケージの間に設置できるように作られており、盗難防止ボルトで取付けが可能です。
スマートフォンに専用アプリをインストールし、デバイスとスマホで連携します。
で、このデバイスで何ができるのかというと、大きくこの3つの機能が提供されます。

①オートガード
利用者が自転車から離れると、デバイスは自動で見守りを開始

②アラーム&スマホ通知
いたずらや盗難で自転車に振動を検知するとアラーム音が鳴る&スマートフォンに通知

③GPS追跡&通信機能
デバイス本体内臓のGPSとSigfoxネットワークを使った通信機能により、利用者のスマートフォンにて位置追跡が可能

契約が必要なことと、別途サービス利用料が必要ですが、¥390/月、もしくは¥3,900/年となっており、このサービスが提供してくれる価値からすると安価な設定だと思います。

本体はバッテリー内臓で、マイクロUSB端子による充電(稼働時間は最大1.5カ月)。
スポーツバイク乗りが気にする本体重量ですが「約60g」と非常に軽量に作られています。

アラームによる盗難抑止&盗難後の位置追跡と、ランニングコストはかかりますが本体価格1万円以下のデバイスでここまでやってくれるのはコスパが非常に高いと感じましたが、どうでしょうか?

まとめ

盗難防止に効果的な保管方法と、その防止策についてまとめてみました。
盗難防止ってコストと労力がかかり、考えてみると非常に腹立たしいことではありますが、実際被害例が多いのも事実です。
(この記事書いてて勝手に怒りが湧いてきてしまい、窃盗犯を逮捕したら厳罰に処して欲しいと思う今日この頃です)

今回はバイク本体の盗難防止を中心に書きましたが、出先でロードバイクのサドルだけ盗まれてしまうという盗難被害があり、帰りの数十キロを立漕ぎで帰宅したなんていう、ある意味ぞっとするような非常に辛い実例も聞いたことがあります。

自宅駐輪用に加え、必要であれば出先でも使用できるような細身のワイヤー購入など、できれば一通りの使い道で盗難防止できるようにご検討頂ければと思います。